「今お茶入れてくるから、澪はソファーにでも座ってて」
リビングに通されて、唯斗くんはキッチンへ行き、コップを準備している。
「あ、そうだ。 唯斗くん、これ」
手土産のシフォンケーキ。
忘れる前に渡しておかないと。
「別に良かったのに、わざわざありがと。 これ、ケーキ?」
箱で想像がついたのか、唯斗くんが聞いてくる。
「うん、今日のために昨日お母さんに聞いて作ってみたんだ」
「え、澪の手作り?」
「うん、そうだよ」
わたしの手作りケーキだとわかると、嬉しそうに箱を開け始めた。
まるで子どものよう。
「何か手伝うよ」
じっとソファーで座ってみてるだけは何だか申し訳なくて、手伝いを申し出る。
「じゃあ、食器棚からケーキ皿2つとフォーク出して」
言われた通りにお皿とフォークを出して待っていると、手際よくわたしの手作りシフォンケーキを切り分けてお皿に乗せてくれた。



