───約束の土曜日。
カラッと晴れていても、空気は冷たい秋。
そんな季節にピッタリなブラウンのチェックワンピースを着て、髪型はお母さんにお願いしてふわふわに毛先が巻かれたポニーテールにしてもらった。
お家にお邪魔するから、手土産に手作りのシフォンケーキを持っていく。
そこまで甘すぎないケーキだから、もし甘いものが苦手でも食べられるだろうという考えだ。
「いってきまーす」
唯斗くんのお家は何となく覚えている。
記憶を頼りにやってきた、見覚えのあるアパート。
そういえば、部屋番号なんだっけ?
確認をするのを忘れてたと、聞くためにメッセージアプリを開いて、唯斗くんのトーク画面を出した時だった。



