「はい、これ唯斗くんの分」
……というのも、唯斗くんにお願いされるより先にお弁当を作って来ていた。
実はお弁当を自分で作っていて、そのついでに唯斗くんの分のお弁当も用意することにしたんだ。
要らないって言われたらどうしようかとヒヤヒヤしていたけれど、いつも唯斗くんはお昼ご飯を売店で買っていたから、もしかしたらと思って。
「ありがとう」
そう言ってわたしからお弁当を受け取った唯斗くんは、心做しか嬉しそうにしている。
普段は素っ気ないくせに、時折気持ちがダダ漏れで隠しきれていない唯斗くんが可愛く感じる。
「唯斗くんが好きな物が入ってるといいんだけど……」
唯斗くんの好きな物がわからなくて、とりあえずお弁当と言えば定番の卵焼きとウインナーと唐揚げを入れてみた。



