わたしたちが1位だ。
咄嗟に神風くんを見た。
なんで神風くんだったのかはわからない。
でも、しっかりと目が合って微笑んでくれた。
今まで神風くんがわたしに向けてくれた笑顔の中で、一番優しいものだったかもしれない。
「続いてピアノ部門の受賞者は、七瀬 澪さんです」
「七瀬さんっ! おめでとう!」
「すごく綺麗で上手だったもん! さすが澪ちゃん!」
わたし、今名前を呼ばれた?
ピアノ部門があるなんて聞いてなかった。
発表を聞いてクラスメイトがわたしに声をかけてくれる。
「みんな、ありがとうっ」
それが本当に嬉しくて。
「あぁ、泣かないで澪ちゃん!」
優しく背中をさすってくれる手が温かくて。
ずっと暗かった世界から抜け出せた気がした。



