「みーおちゃん」


「っ、わぁ!?」



突然目の前に現れて、わたしの机に腕を組んで乗せながら下から覗き込んでなんか来るから……


驚きすぎて、持っていたシャープペンシルを床に落としてしまった。



「澪ってば焦りすぎ」



そんなに笑わなくてもいいじゃん。


お腹を抱えて笑う神風くんに冷たい視線を送る。


テスト勉強に集中していたわたしを驚かせてきたのは神風くんのくせに。



「はい、シャーペン」



笑いながらも床に落としたシャープペンシルを拾ってくれる神風くん。


ちゃんと手渡してくれたけれど、反省の色が見えない神風くんにお礼は伝えなかった。



「澪、俺に冷たくない? なんかした?」



神風くんなんか無視無視。

……としたいところなのに、神風くんはそこから全く動こうとしない。


そればかりか、ずっと視線を感じて、勉強に集中したくてもできない。



「なに、なんかわたしに用?」



しびれを切らしたわたしは、神風くんに声をかけた。