「――というのが、俺と玲奈のはじまりなんだよ」

「尚⁉ 子供たちに何話してるの⁉」

――休日の昼下がり。

美結夫婦と、その大学の親友という縁で親しくなった咲雪と雪村くん夫婦。

その子供たちの三家族で集まっていた。

うちでやることになったから、子供たちを預かって四人が買い出しに行っている隙に尚がなんかしていた。

「俺と玲奈がどれだけ仲いいか教えてた」

「……まともに聞いてる子ひとりもいないけどね」

思わずため息がでてしまう。

息子の玲は積み木で遊んでいるし、由羽は眠いのかぼーっとしているし、総真はすやすや眠る赤ちゃんの羽咲にべったり張り付いていて、誰も尚のことを見てすらいない。

……話してて虚しくならなかったのかな。