送信した後、私は簗瀬さんに「お待たせしました」と声をかけた。
「月那ちゃん、なんかしんどそうだね。大丈夫?」
「! 大丈夫です」
「そっか、気のせいならよかった。何かあったらいつでも聞くからね」
「ありがとうございます」
慌てて笑みを取り繕ったから、自分の胸の内が透けて見えていたかもしれない。
だけどそのことに触れないでくれて、正直ありがたかった。
⁑
☆
「おすすめの場所があるんだ」と簗瀬ハクに案内された場所は、隠れ家的な雰囲気を持つフレンチバルだった。
「SEIRAも好きでよく一緒に行くんだ」
「そうなんですね、SEIRAさんもお酒飲むんですか?」
「いや。お酒はそんなに好きじゃないかな。ここに来る時はいつもコレ頼んでるよ」
そう言うと簗瀬ハクはメニューに書かれている季節のキッシュとローストビーフを指差した。
「……そういえばSEIRAさんってよく食べるほうですよね。サラダしか食べてないイメージでした」
「そうだね、たしかにモデルの中では食べるほうだね」



