私はSEIRAとはよく話すようになったけど、簗瀬ハクとはまだ距離を感じる。

この場に朔夜がいたら、情報収集がスムーズに進むのに……!

でもこうなってしまった以上、1人でSEIRAの情報を入手しなくては。

SEIRAがクロだとわかってしまったのだから、一刻早く薬物の恐怖から解放させたい。


「SEIRAさんに会いに行かなくていいんですか?」

「彼女今日オフだからゆっくりさせようと思って。ここ最近忙しいそうだったから」

「……彼女想いなんですね」


それからもSEIRAのことで盛り上がった。
勢いはそのままで、SEIRAとどんなデートをするか尋ねようとした時だった。


「あれ、簗瀬ハク?」

「うそ、マジじゃん! やばい、生のハクくんかっこよすぎる……!」

「えっ、これ声かけていいのかな?」

「でも隣に人がいるよ。誰かな……」


近くにいる女子高生が私達を見て大きな声で話し始めた。

これは大変なことになった。