「おーい、風呂入んない?」 考えていると、ドアの向こうから双子の兄である朔夜の声が聞こえた。 そうだ。論文を読むのに没頭しててお風呂に入るのを忘れてた。 スマホを机の上に置いて「後で入るー」と一声かけ、再び耳に当てる。 優生も夜遅いからゆっくりしたいだろう。 そろそろ切って明日に備えよう。 『朔夜の声が聞こえた』 「そうそう。まだお風呂入ってなかった」 『そんなに集中してたのか』 どうやら優生にはお見通しのようだ。