「そうっすね。それにしても、“berial”って確か悪魔の名前ですよね。めちゃくちゃ綺麗な天使だったみたいな」


──イギリス詩人の言葉によると、berialは

「天から失われた者で、彼以上に端麗な天使はいなかった。生まれつき威厳に満ち、高邁」

と讃えられているが、同時に「それはすべて偽りの虚飾に過ぎなかった」と否定している。


“berial”を使用したモデルの美しさは所詮、すべて虚構に過ぎないという皮肉めいたようにも思える。

名付け親はモデルを忌み嫌っているのだろうか。


「出所は不明だが、海外から暴力団へと運び出されたものだ。そして暴力団とモデル界を繋ぐパイプ役の人物が業界内部にいるようなんだ」

「でも俺達にはできませんよね。マトリと合同ってことですか?」

「そうなる。マトリの方からサブマネージャーとして派遣されることになっているから俺達も頑張ろう」

「「はいっ」」


さて。

また何かが動きそうだ。