あっという間に5分が過ぎ、時間を惜しむようにゆっくりと起きた私達。
結局朝ご飯はトーストにバターを塗るだけの簡単なものとなってしまった。
美味しくいただいて、出かける準備を終えた優生が玄関で靴を履く。
「これ、よかったら食べて」
私は用意していたお弁当を渡した。
優生は目を見開き、嬉しそうに笑った。
黒のビジネススーツを着て、前髪も仕事仕様にワックスで上げている。
スタイリッシュに決まっていて、とてもかっこいい。
何度も見てきたけど、相変わらずの顔の良さでノックアウトだ。
「これのために来てくれたのか?」
「うん、心配だったから」
「……ありがとう。大事にいただきます」
目を合わせて、照れ臭そうにお互い微笑んだ。
私も優生と一緒に外に出た。
優生の家にいる理由もないし、もっと一緒にいたいから。



