アポなしで来ちゃったからな……確認取ってからの方がよかったのかな。
一瞬不安になったが、優生が拒絶していないから気の迷いだと思い直すことにした。
「あーやだ。仕事行きたくない……」
「そこは頑張ってください」
「まだこうしてたい……」
抱きしめる力を強めて、私の頭を優しく胸に押し当てる。
そして、頭に何か柔らかい感触がした。
「……っ、こら、ゆーせー」
「やっと会えた」
眠そうな声ではなく、いつもの声だ。
完全に起きたのだと理解して、起きあがろうとするが優生のハグで邪魔される。
「まだ時間あるから5分だけ」
「わ、わかった」
私は優生にとびきり弱い。
朝ご飯の準備だってちゃんとしたかったのに、これじゃ疎かになってしまいそうだ。
でも、優生とこうしている時間はいつまでも浸っていたいくらい心地よかった。



