<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて


「あの、ありがとうございます。お代いくらでしたか……?」


彼は財布からお札を数枚取り出そうとする私の手をやんわり制した。


「先輩なんだから甘えなさいな」

「……ありがとうございます。ご馳走様です」


女子にお財布を出させないあたり、さすがは優男で有名な俳優だ。


「この後、どうしようか」

「明日大学あるのでそのまま帰ろうかと思います」

「そうだね。遅くまで付き合ってくれてありがとう。
よかったら家まで送るよ」

「い、いえ。大丈夫です!」


朔夜が迎えに来ないとはいえ、簗瀬さんに家まで送ってもらうのは抵抗してしまう。


「でも、もう夜の11時だから心配だな……」


簗瀬さんがスマホで時間を確認して、眉を困ったように下げる。

その仕草は罪悪感を煽って断らせないためにわざとしているように見えた。

そこまでして送りたい意味はよくわからないけど、タクシーで帰るって断ろう……と思った矢先のことだった。