そのとき 扉の外――透明なガラスの小窓の向こう側に、気配を感じた。 「……マキは。あいつは」 どこからともなく 陽気な歌声が聞こえてくる空間で ただただ緊迫した空気が流れる。 この時間も他の客室では 子供から大人まで、いろんなひとが 歌って楽しんでいるというのに――…… 「ヤバい女だ」 わたしは、日常(そこ)にいない。