寿命1ヶ月間の彼女のカメラ

・・・・・

パシャ

パシャパシャ

パシャリ




「何?」

後方から聞こえたカメラのシャッター音に、僕は不機嫌を露にした表情で振り向く。

「あ、ごめんなさい…!あまりにも綺麗だったから…!!」

"綺麗"なんて、男子の僕に使うような言葉じゃないよ、と言いかけて、息を飲む。




"綺麗"と言う言葉は彼女の為にあると言うことをその日初めて知った。

僕は無言でスマートフォンのシャッターを切る。

彼女が、僕のことを綺麗だったからと言う理由で写真を撮ったなら、僕も許される筈だ。

ごめんね、と苦笑いをしながら僕は呟く。



「君が、あまりにも綺麗だったから。」