リアル彼氏

「へぇ、昨日も?」


「もちろん」


「どこに行ったの?」


「どこだったかな……えっと、駅前のスイーツ屋かな」


マリナは空中に視線を向け、考えながら答えた。


嘘をついている人とは、こんなにわかりやすいものなのかと驚いた。


単純にマリナは嘘が下手なのかもしれないけれど。


「何を食べたの?」


「イチゴのクレープ」


「弘志君はなにを食べたの?」


続けて質問をすると、さすがに睨まれた。


「どうしてそんなことを聞くの?」


「さっき言ったじゃん。最近マリナと弘志君の話を聞いてないからだよ。あたしと藍のことばかり聞いても、つまらないでしょ?」