リアル彼氏

☆☆☆

「で、デートはどこへ行ったの?」


月曜日の朝、教室へ入ると今度はマリナが先に登校してきていた。


あたしは驚いて目を見開く。


マリナがこんなに早く学校へ来ることなんて今までなかった。


「あ、えっと……遊覧船に乗ったよ」


一瞬緊張が走ってうまく言葉が出てこなかった。


「遊覧船かぁ、定番だね」


マリナはガッカリしたように言いながらも、その目はキラキラと輝いている。


もっと話を聞きたいのだとわかった。


「昼間は遊覧船の近くの観光地を見て回って、夜にもう1度乗ったの」


あたしは自分の席にカバンを置きながら言う。


「夜に?」


「そう。花火があったんだよ」


そう言い、自慢するようにマリナへ視線を向ける。