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マリナはあたしが登校してから10分後に教室に入ってきた。


「聞いてよ弘志ってばねぇ」


すぐに自慢話しを始めるマリナに、あたしは咳払いをした。


「それより、こっちも進展があったよ」


そう言うと、マリナは目を丸くした。


「嘘」


「本当だよ。そのために服を買ったんだから」


マリナのことだから、いくら服を新調したってろくなデートはできなかったと考えていたのだろう。


「これ、見て」


あたしは自信満々に藍からのメッセージを見せた。


「うまく行ったの!?」


マリナは穴があくほどあたしのスマホを凝視している。