☆☆☆

「ふぅー」


あたしは大きく息を吐きだしてゲームを閉じた。


急展開だったけれど、出会いがベタだった分を挽回できた気分だ。


これくらい刺激的な恋ならきっとマリナも聞き入るに違いない。


問題はどうやって信憑性を持たせるかだけど……。


そう考えた時だった、不意にスマホが震えた。


マリナからだろうかと思ったが、それは藍からのメッセージだった。


《藍:今日は突然ごめんね。でも、俺は本当に君のことが大好きだから》


そのメッセージとともに、ゲーム上で行った港公園の写真が添付されている。


「これだ!」


話しをするよりも、これを見せる方が断然信憑性がある。


ふふっ。


次にマリナに自慢するのが楽しみだなぁ。


あたしはウキウキした気分でスマホを握り締めたのだった。