どうしたのかと思っていると、急に藍の顔が近付いてきた。


長いまつげの目がスッと閉じられる。


次の瞬間、チュッという効果音が聞こえてきてあたしの体がカッと熱くなった。


今、キスされた!?


ゲーム上のことだとわかっているけれど、リアルな音に心臓が跳ねる。


ゲームの中のあたしはどうすればいいかわからず、ただ棒立ちになっていた。


藍は耳まで真っ赤になり、あたしの手を握り締めて歩き出したのだった。


その後画面は暗転し、デートから戻ってきた場面に切り替わった。


《藍:今日は突然ごめんね。でも、俺は本当に君のことが大好きだから》


そんなメッセージが届き、キャラクターは大喜びするところで第一章は終わったらしかった。