リアル彼氏

☆☆☆

「これ、本当のこと!?」


メッセージを見せた瞬間、マリナは想像通りの反応を見せてくれた。


あたしは内心ニヤリと笑う。


「そうだよ。今度の日曜日にデートになったの」


胸を張って答える。


「すごいじゃん!」


マリナは大きな目を更に見開いている。


あのマリナにうらやましがられているのだ。


悪い気はしないし、優越感が胸の中に膨らんでいくの感じる。


マリナもきっと、ノロケ話をしながらこんな気持ちになっていたのだろう。


これならやめられなくても当たり前だと感じられた。


もっともっと羨ましがられたい。


『いいなぁ』とか『すごいね』とか、一目置かれた存在になりたい。


しかしあたしはすぐにメッセージを閉じた。


あまりジロジロ見られたら、ボロが出てしまうかもしれないからだ。