大きくて黒目がちな目に長いまつげ。


学年で1位2位を争う美女だと言われるのも納得の容姿をしている。


弘志とのノロケ話よりも、あたしはマリナが自分の容姿へかけている時間やお金の方に興味があった。


あわよくば、そのプルプルの唇はどこのメーカーのリップを使っているのかが知りたい。


リップを真似したくらいで自分がマリナみたいになれるなんて思っているわけじゃない。


しかし、せっかく仲がいいのだから、そのくたいの特権があってもいいと思っていた。


こうして毎日、興味のないノロケを聞いてあげているのだから、


「あたしのことジロジロ見てどうしたの?」


マリナがかわいらしく小首をかしげて聞いてくる。


つい、マリナの顔を凝視してしまていたようだ。


その仕草は女のあたしでもちょっとドキッとしてしまう。


あたしはフッと短く息を吐きだしてほほ笑んだ。


「なんでもないよ。それで?」


聞くと、マリナはまた微笑んでさっきの続きを話出した。


あたしはマリナの話をぼんやりと聞きながら心はタイムスリップしていた。