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学校へ行っても居場所がないことはわかっていた。


未だに学校のグループメッセージではあたしの悪口が書き込まれている。


それでもあたしは学校へ向かった。


ある、目的をもって……。


あたしが学校に到着したとき、ちょうど放課後のチャイムが聞こえてくる頃だっ

た。


私服姿のあたしは校門前で生徒たちが出てくるのを待った。


部活動や委員会活動のない生徒たちがぞろぞろと校門から流れ出てくる。


それはひとつの大きな川のように見えた。


その中にマリナと貴也の姿を見つけた瞬間、あたしの心臓がドクンッと跳ねた。


復讐という強い感情が胸の奥からせり上がってくるのを感じる。


マリナがクラス内でも良い地位を勝ち取ったのだろう。


当時マリナをイジメていたクラスメートたちからも、挨拶されている。


それを見てあたしは奥歯を噛みしめた。


あたしはマリナのせいで学校にも来られなくなったのに、この差は一体なんなんだ。


全部マリナが仕組んだことだったのに、どうして幸せそうに笑っているんだ。


隣りにいる貴也も心の底から幸せそうな顔をしている。


そんな笑顔、あたしには見せてくれなかったのに……。


あたしはそろりと2人の後を追いかけたのだった。