ショックで座り込んでいると、ドアをノックする音が聞こえてきた。


ハッと息を飲んで振り返る。


同時にドアが開き弘志君が顔を見せた。


その顔はニヤリと笑っている。


「なにノンビリしてんだよてめぇ」


怒りを込めた声で言い、近づいてくる。


「ご、ごめんなさい!」


咄嗟に謝っていた。


恐怖で声が喉に張り付き、擦れている。


「俺の電話には2コール以内に出ろ。いいな」


弘志君は低い声でそう言ったのだった……。