結構妹思いなところがあるのかな。


このときはそんな風に考えただけだった。


それが……。


「マリナ!」


帰る準備を始めたころ、クラスメートの1人が声をかけてきた。


中学時代からの友人だけどそれほど仲がいいわけじゃない子だ。


「なに?」


首を傾げながら聞くと、彼女はあたしの前に○○ランドのチケットを一枚出してきた。


「これ、よかったらあげる」


「え?」


「友達4人で行くつもりだったんだけど、1人来られなくなったんだよね。チケット1枚だけあってもどうしようもないし。マリナにあげる」


それはただの気まぐれだったのだろう。