リアル彼氏

「一応な」


「自分は浮気するのに?」


「うるせぇ。話ってなんだよ」


そろそろイラついてきたようで乱暴な口調になってきた。


あたしはまっすぐ弘志君の前に立つと、ブラウスのリボンを外した。


それを見て弘志君は目を見張る。


「弘志君はマリナに浮気されたんだよ。それなら、やり返してもいいじゃない?」


「誘ってんのか?」


弘志君の手があたしのブラウスのボタンにかかる。


あたしは軽く身震いをした。


好きでもない相手とこんなことをするなんて思ってもいなかった。


でも、これも復讐の内だ。


マリナから弘志君も貴也も完全に奪い取ってやるのだ。


「こんなことしても、マリナが傷つくかどうかわからねぇぞ?」


「それでもいい。全部奪えるなら」


あたしはそう言い、弘志君に身をゆだねたのだった。