「貴也とのツーショットじゃん!」


マリナのスマホを偶然キャッチした男子生徒が叫ぶ。


その名前に一瞬自分の胸が痛むのを感じた。


2人は付き合っていたのだから、その写真が残っていても不思議じゃなかった。


わかっていたことなのに、どうしても表情が硬くなってしまう。


「弘志、お前マジでふたまた掛けられてたわけ?」


男子の言葉に弘志君は首を傾げている。


それはないはずだ。


だって、貴也とマリナがつき合っていたのは1年も前なんだから。


「この写真の日付、今年の6月じゃん」


え……?


驚いて、つい振り向いていた。


一瞬マリナと視線がぶつかる。


マリナの顔は真っ青で、今にも倒れてしまいそうだ。


嘘だ。


そんなことありえない。


だって6月って今じゃん……。