やっぱり、図星だ。


「それ、なんで」


マリナの声が情けないくらいに震えている。


いつも自身満々なマリナでも、こんなに動揺することがあるのだと、笑いたくなった。


「この中に貴也とマリナのストーリーがあった。あたしはリナってキャラで、2人の邪魔者みたいになってた!」


一気に怒鳴りつけて、肩で呼吸を繰り返す。


「そ、それは……」


マリナは言い訳を考えているようだけれど、いい言い訳が思いつかないようで黙り込んだ。


「信じられない。そんな人だったなんて……」


貴也もマリナも最低だ。


「あ、あのさ。そんなゲームやめなよ。前言ってた彼氏と別れたなら、あたしがいい人紹介してあげるから」


「そんなのいらない!」


どこまであたしのことをバカにすれば気が済むんだろう。


マリナは本気でそんなことを考えているのだろうか。


「あたし、今貴也と付き合ってるの」


「え……」


「でも、もう別れるけどね」


あたしはそう言い捨てて空き教室を出たのだった。