「相手の子に謝れよ!」


後方からはまだ罵倒が聞こえてくる。


「なんか、大変なことになってるけど大丈夫?」


「あたしなら平気だよ」


笑顔で答えた。


マリナがああなってしまう前から、マリナとあたしの関係は表面上だけのものだった。


今マリナが他の生徒から攻撃を受けていたって、あたしには関係ない。


みんなもそう思っているから、あたしには攻撃してこないのだ。


「そっか、よかったね」


安藤さんはニッコリと笑う。


いかにも平和主義と言った雰囲気だ。


それでもちょっとした蔭口は好きなのだろう、一緒に御飯を食べている間安藤さん

はあたしにマリナについて質問しっぱなしだった。


普段から男が好きだったのかとか。


沢山男がいるのかとか。


特別隠す必要もないし、あたしはマリナから聞いたことをほとんどしゃべってしまった。


「どれだけ美人でも、性格があれじゃあねぇ」


安藤さんはそう言い、含み笑いをしていた。