トラップ教室

水の音で自分たちの声までかき消されてしまいそうになる。


「鍵ってなんだよ、鍵って!」


秀が焦った声で言い、教室の机の中を調べていく。


優香も同じように机の中やロッカーの中を調べ始める中、あたしは教卓の前に立った。


教卓の上にはオモチャでできたような宝箱が置かれている。


手を触れずに観察してみると、3桁の数字を入力するタッチパネルが付けられているのがわかった。


「この中に鍵があるのか」


後ろから響が声をかけてきたので、あたしは左右に首を振った。


「わからない……」


でも、D組の中にある目立つものと言えばこれくらいだった。


「それもフェイクかもしれないぞ」


そう言ったのはいつの間にか後ろに立っていた秀だった。


あたしは頷く。


他の教室でも同じように響の偽物が存在していた。


この部屋も同じようになっているかもしれない。