トラップ教室

それは自分でも驚くほどのスピードだった。


この教室に入ればまた悪夢が始まるかもしれないのに。


この教室に入ればまた誰かが死ぬかも知れないのに。


今はカウントが終わる前に逃げ込む場所になってしまった。


どうにか4人ともD組に滑り込んだとき、ドアが乱暴に閉められた。


響が近付いて行って確認しているが、もう開かなくなってることだろう。


一気に走って痛くなった心臓を落ち着けるため、大きく深呼吸を繰り返す。


そうしながら、あたしは教室内を確認した。


教室の中は出入り口以外すべて透明なビニールシートに覆われていた。


天井も壁も床も、全部だ。


それ以外はいつもの教室風景と変わらない。


みんなの机の教卓とロッカー。


教卓の上に宝箱が置かれているのがわかった。


なんだろうと近づいてみたくなるが、すぐに行動することはやめておいた。


なにせ、他のクラスでは少し移動するのにも犠牲が発生していたのだ。


D組でも同じことが起きるかもしれない。