トラップ教室

そう言われて、一気に記憶がよみがえってきた。


甲高い子供の声が脳内で再生される。


『3年A組から3年D組の教室には、入れるようになっています。しかし、そこに入れるのは4人ずつ。こちらで名前を呼ばせてもらいます』


「あ……」


思い出すと同時にあたしは口をポカンと開けていた。


「思いだしたか?」


秀の言葉に反応することもできなかった。


優香は思い出せないのか、しきりに首を傾げている。


「あのアナウンスではA組からD組の教室に入れるって言ってたんだ」


秀が言うと、優香はようやく思い出したように目を丸くした。


「そう言えばそうだった。だけど、D組は入れなかったじゃん」


優香はそう言った瞬間、なにかに感づいたように青ざめた。


そう……。


さっき聞こえてきたカチッという音だ。


あれは鍵を開閉するときの音とよく似ていた。


「まさか……」


優香がぎこちなく後方へ視線を向ける。


その先にはD組のプレートがある。