今夜、この恋が壊れたら、

「俺は最後大切な人と過ごせたよ」
「昔書いたやつと違うけど、私もだよ」

「すきだよ、美月(みつき)」
「私も、すきだよ、旭(あさひ)」



たくさん喧嘩した旭、たくさんぶつかった旭、たくさんすきだと思った旭、たくさんむかついた旭がいたこの世界が終わったとしても、

もし、何かの報道ミスで起きなかったとしても、



私はきみをすきでいるだろう。




視界が遮られたのは、旭の唇が私のそれと重なったからだろうか、それとも世界が壊れたからだろうか。

今の私には知る由もないけれど、ふわりと唇に温かさが残って、どこかで耳をつんざくような大きな音が聞こえた。



かたくつないだ手と結ばれた心がどこまでも続くことを、私はずっと願ってる。







END