今夜、この恋が壊れたら、

「でもそんなふうに思ってくれてるって思わなかった。……嫌われてるって思ってたから」
「そんなわけないじゃん」



涙目になった自分を見られないように、彼の胸に顔を埋めると、トクトクと規則正しい心臓の音が聞こえてくる。

女の子と話す彼を横目で見ている私じゃなくて、素直に想いを伝えられる私になりたかった。


ずっとほんとうに、そう思っていた。





「なあ、俺のことはずっとすきだったの？」

耳元で聞こえてきた声に反応して、顔を上げると怪しい目をした彼とぱっちり目が合って逸らせなくなる。

この言葉を伝えるのは数ヶ月ぶりに違いない。だからこそ、羞恥に襲われたけれど、今更だと思って、「すきだよ、ずっと」と伝えた。



「私は結構一途だよ？」
「俺のほうが一途だよ」

「女の子と話してたじゃん……」
「でもすきではないし、嫉妬してたなんて思わねーし」

「だって寂しかったから……」