陰キャの僕も健全な男であって、恋くらいする。

僕と彼女の出会いは、春。

出会いの季節。

ありきたりなシチュエーションだった。

高校入学と同時に引っ越してきた彼女は土地勘がなく迷っていて、そこに僕が来て助けたっていうあるあるな出会い方だった。

今でも覚えてる、彼女の後ろ姿。

今まで何人の男をこの美貌で虜にしてきたかなんて思うと嫉妬で狂いそう。

彼女のことを好きなのも、愛しているのも、手を繋ぐのも、わらいあうのも、見つめるのも、全部全部僕だけでいいんだ。