【完】君は狂った王子様。





「……ああ、やっぱり」



…やっぱり?



「これのこと?」



がっ君は、制服のポケットから、一枚の紙のようなものを取り出す。

それは多分、鍵を閉めに戻った時…教室で拾った紙だった。


裏返すと、そこにはがっ君と女の子が映っていて…。

間違いない。


これは、とーるがわたしに見せた写真だった。



冷や汗が、今度は額を濡らす。


とーるが慌てて落として行ったのだろうか…なんて運のない…。


わたしはもう言い訳もなにもできなくて、黙って頷くことしか出来ない。




写真に映る、抱き合うがっ君と女の子。

やっぱり、この人はがっ君の彼女…?

特別な、ひと…?



「桜…これは誤解だよ。僕と彼女はなんの関係もない」



…え?