それを物語るかのように、降車してすぐ生徒の視線はがっ君へと集まった。



わたしは、この時間が一番苦手。



「会長、おはようございます!」

「京極さん!おはようございます!」



あちらこちらから、そんな声が聞こえた。



「おはよう、皆んな」



それに、がっ君は笑顔で返す。


女の子たち、目がハートになってるよ…。


一目散に辺りは女子生徒ばかりになる。これは、いつものこと。

仕方ない、がっ君はそれだけの美貌をもっていて、人を引き寄せるのだから。


先ほどから、繋がれている手。

これもいつものこと。

がっ君は車を降りる際、わたしの手を掴んで、教室に着くまで離してくれないのだ。



ほんとうに、やめてほしい。

だって、女の子からの視線が痛すぎる。


あたりまえだよ。がっ君みたいな素敵な男の人の隣に、わたしみたいな地味な女…誰だって、おかしいと思う。