「ああ、ごめんね。早く帰ろう桜」



がっ、くん…?

ほんとうに、どうしたの…?



歩むスピードを上げたがっ君に、半ば引っ張られるようについて行く。

強引に車に乗せられ、家に着くまで一言も話さなかった。


車を降りると、がっ君は再びわたしの手を握って、早足に家の中へ入った。



「桜、このまま僕の部屋に行って、お茶しようか」

「……」

「洋菓子ばかりで飽きただろう?桜が好きな和菓子を用意したんだ。早く部屋に行こう」



断る理由も、ないけれど…

言われるがまま、がっ君について行く。


お茶したら…がっ君は、機嫌を直してくれるだろうか?

不機嫌…なことは、間違いないだろうから、わたしが怒らせてしまったならその理由が知りたい。




…ただ、なぜだろうか。

このまま二人きりになってはいけない気が、したんだ。