【完】君は狂った王子様。





「じゃあ一度教室に戻ろうか?行こう」



「ごめんね…?」と謝って、首を縦に振る。

がっ君は「気にしないで」と行って、わたしたちは先程とは別の方向へと向かった。



教室に着くと、そこは無人。

もしかしたらまだとーるがいるかもしれない…と、不安で仕方なかったので、安心して胸を撫でおろす。



「さ、閉めて戻ろうか」

「…うん!」



ポケットにある鍵を取り出した、その時、



「……待って。何か落ちてる」



…?

あ、ほんとだ…。


教室の後ろに、紙が一枚、落ちていた。

長方形の、ポストカードくらいの大きさだろうか。

がっ君はそれに気付き、拾おうと近づいた。


紙を拾い、裏返すようにして見たがっ君の、動きが止まる。



「…なにだった?」



不思議に思いそう聞けば、がっ君はなぜかそれを自分のジャージのポケットに入れた。

わたしの方を振り返ったがっ君の表情は、いつもと同じ笑顔。