【完】君は狂った王子様。



がっ君はいつだってわたしの味方でいてくれたんだ…


わたしだって、なにがあってもがっ君味方でいたい。



「さ、授業に戻ろうか」



そう言って、手を握られた。

わたしはそれを握り返して、がっ君と一緒にプールへ戻ろうと歩み始める。



けれど、ふと足を止めた。



「…あ」



そういえば、わたし…。

スカートのポケットに手を入れ、中にあるものを取り出す。

わすれ、てた…。



「が、がっ君、どうしよう…!」

「どうしたの?」



慌てるわたしとは対照的に、落ち着いたがっ君の声。



「鍵…閉めてくるの忘れちゃったっ…!」



た、大変…!

とーるから逃げるように教室を飛び出して、すっかり忘れてしまっていた。