【完】君は狂った王子様。





「……ああ、そんなこと言われたら、怒れないだろう…」



ーーいつもの、がっ君だ。

優しい笑顔の、優しい声の、優しいがっ君。


嬉しくってたまらなくて、頭を撫でてくれる手にすりつく。


やっぱり…とーるの話は、全部うそだよ…。

がっ君が、酷い人なわけがない。


こんなにこんなに温かくて、優しいんだから。


がっ君はわたしの頭から手を離して、再び優しい笑みを浮かべた。



「ありがとう。でも、勝手に抜け出してはダメだよ?ほんとうに心配したんだから…」

「ごめんねがっ君…」

「いいんだよ。僕のためにありがとう」



この笑顔が、声が、いつもわたしを安心させる。

幸せでいっぱいな、気持ちにさせてくれるんだ。


誰に何を言われたって、わたしは目の前のがっ君を信じてる。