【完】君は狂った王子様。




『あいつ、桜子が自分以外と接触せんように、裏でめっちゃ手回してるみたいやわ』

『桜子に近づいたやつもう何人も退学にさせたりしてんねんで?』



そ、そんなの…あ、ありえない…。

だって、がっ君は優しい…。


それに、がっ君がそんなことをする理由がない。


わたしの周りに友達がいないのは、わたしに、原因があるからで…



「わたしが地味で、つまんないから、だから、みんな話しかけないんだよ…!」

「桜子…俺は、お前が心配やから、お前が好きやから言ってんねん…!」



わたしの両肩を掴んで、とーるはそう言った。

とーるは友達だから、友達のわたしを好いてくれてるから、心配してくれてると言うけど…



「離してっ!!がっ君の悪口言う人は嫌い!!」



わたしは、信じないっ…


だって…だって、がっ君がそんなこと…するはずないもの。

優しい優しいがっ君が、そんなことするはずない。


とーるなんて、知らない…!


とーるの手を振り払い、教室から飛び出した。