【完】君は狂った王子様。

ただ…怖い。

眉間にシワを寄せるとーるの顔も、さっきからとーるがしている話を、理解することも…なんだかもう、この空間の全てが怖かった。




「桜子、お前ほんまになんも知らんのか?」



とーるの低い声が、教室に響く。



「俺、調べてん。あの男のこと。あいつ、桜子が自分以外と接触せんように、裏でめっちゃ手回してるみたいやわ」



言ってる意味が全然わからない。

わたしの頭は、とーるの言葉の侵入を必死に拒んだ。



「そのくせに、自分は放課後女とイチャついてんねやで」

「女の子と…?がっ君が?」



とーるはほんとうに、何を言っているの…?



「…これ」



そう言って、とーるは数枚の写真を机の上に広げる。



「…っ」



そこには、がっ君が女の子と手を繋ぐ姿、抱きしめる姿、そして…




わたしの知らない女の子と、口づけを交わすがっ君の姿が映されていた。