【完】君は狂った王子様。



がっ君がプールに飛び込んだのとほぼ同じ。わたしは、プールから抜け出した。



「ふぅ…抜けれたぁ…」



早く絆創膏を持って戻ろう。

もともと教室の鍵は見学者のわたしが持っているので、鍵を解いて教室に入る。


自分の鞄の中からポーチを取り出して、元来た道を戻ろうと、

思った時、



「桜子っ…!」


…え?



教室に、一人の男の人が入ってきた。


焦った表情のその人を見て、わたしは目の前の彼の名前を口にする。



「…とーる?」



立っていたのは、久しぶりに見たとーるだった。




「今、あいつはっ…?」

「あいつ…?」

「京極牙玖や」



がっ君?



「いないよ?」



そう言えば、とーるは安心したようにふぅ…と息を吐き、わたしの元へ駆け寄ってきた。