【完】君は狂った王子様。




いつものように、平穏な一日を過ごしていた時だった。

退屈でたまらない、水泳の授業中。


がっ君に抜けちゃダメだよって言われたから出て行くこともできなくて、わたしはぼうっとクラスメイトと楽しそうに話すがっ君を見つめていた。

やっぱり、暇だなぁ…。


そんなことを思っていると、急に近くにいた女の子がバランスを崩し、がっ君の方に倒れる。

あっ…!倒れる…!


思わず立ち上がったけれど、がっ君は倒れることなく、女の子を受け止めた。


よかった…。
ホッとして、胸を撫で下ろす。


安心して腰を下ろし、ベンチに座った。

がっ君はふとわたしの方を見て、こちらに駆け寄ってくる。



「どうしたの…?」

「桜が大人しくしてるかなって…確認しに来た」

「お、大人しくしてるよっ…?」

「うん。いい子だね」


ぽんっと頭を撫でられた時、わたしはがっ君の腕にある怪我に気づいた。