「がっ君…起きれない…」
「ははっ…まったく、朝の桜はあまえんぼうだ」
がっ君は「おいで」と言いながら、わたしの身体を起こしてくれる。
そのままわたしを軽々と持ち上げて、立ち上がらせた。
やっぱりまだ眠たくて、立ったままがっ君の身体に寄りかかる。
抱きつくような体勢のわたしを、がっ君は優しく撫でてくれた。
「桜はほんと、朝が弱いね」
「んー…もう少し、このまま…」
「いくらでも。………全く、たまらない…」
なに…?がっ君…?
何か言っているような気がしたけど、ぼーっとしていて聞き取れなかった。
少しずつ目が覚めて、ゆっくりとがっ君から離れる。
「……目、覚めた?」
「うん…ありがとうがっ君」
「ふふっ、僕はこの時間が好きだからいいんだよ。…さ、一階で朝食をとろうか?」
わたしは笑顔で首を縦に振って、がっ君の後ろを付いて歩いた。
ーーがっ君のお家にお世話になり始めて、1週間が経つ。

