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「さーくら、起きて」
優しい声が聞こえて、重たい瞼を頑張って開く。
瞳の中いっぱいにがっ君が映って、私は朝の訪れを知った。
もう朝…んぅ…まだ眠いよ…。
「もう、ちょっと…」
「だーめ、遅刻しちゃうよ?」
「…んっ、やだぁ…」
まだ、起きれない…。
「……ほーら、起きて」
夢と現実の狭間を彷徨っているわたしの耳に届いた、がっ君の子供をあやすような甘い言葉。
わたしはその甘さに誘導されるかのように目を開けて、がっ君を見つめた。
…あれ?
朝…?
ようやく意識が覚醒して、がっ君に手を伸ばす。

