【完】君は狂った王子様。


その姿がかわいすぎて、俺は机に顔を伏せ悶えた。

あぁ、あぁ、かわいい。


「はぁ、はぁ…これから桜が壁一枚の向こうにいるだなんて…俺、大丈夫かなぁ…?」


ほんとうは今すぐにでも、どうにかしてやりたくて仕方がないよ…。


…さ、困っている俺の桜を、手伝いに行ってあげよう。

桜のかわいさ故に乱れてしまった呼吸を整えて、PCの画面を閉じる。


ヘッドホンを元の位置に置いて、俺は桜の部屋へ行くために席を立った。



環境は全て整った。

さあ、誕生日まで残り3週間…


幼なじみとしての最後の期間を、楽しむとしようか。




【side牙玖】-END-