【完】君は狂った王子様。


「…〜もう!仕方ないって言ってるのに、聞き分けない子ね!この馬鹿息子!」



そんな子供みたいな言葉を吐き捨てて、バタン!と勢いよく扉を閉め部屋を出て行った。




あーあ、ほんとうに、めんどくさい。

俺と桜の恋を邪魔するやつらは、みんな消えればいいのに。


…まあ、消すけどね。




とりあえず、あの男には監視を付けよう。

ババアは使い物にならないし、次の帰国後、父さんに頼むことにする。


それまで、桜には…指一本触れさせない。
絶対に近づかせない。

俺が直接手を下すことは避けたいから、大人しくしててくれよ…とーる君。


俺はテーブルの上にあるPCを開いて、とある画面を開いた。

部屋の荷ほどきをする、桜の姿が映し出される。

PCにヘッドホンを付けて、室内の音が聴こえてくるのを確認した。

カメラも盗聴器も、感度は良好。


口角を上げて、俺はカメラに映る桜の姿に指を這わせた。

ダンボールが重たいのだろうか、積み重なったそれを持ち上げられなくて、困っている様子。