わたしたちの両親は、お互い仲が良く、助け合ってきたと言っていた。

…と言っても、がっ君の家はわたしの家とは比べものにならないほどの名家で、由緒正しい血筋。


表立って目立つことはないわたしの家系は、いつも支えてもらってばかりなのだと、祖父から聞いたことがある。

わたしはお嬢様なんてものではないし、繁栄していたのは祖父母の時代までだ。


住んでいる家は普通の一軒家だし、未だに残っているのは、"しきたり"くらいだ。


…と、話がずれてしまったけれど、


わたしたちは、そんな家の都合で婚約という約束に結ばれた。




車窓から、わたしたちと同じ制服を身に纏った生徒たちがちらりほらりと見え始める。



「一限目は体育だったね」



…そう。今日は一限から体育だ。

がっ君のセリフに、首を縦にふる。